必修単位その②−2: PHTY543: Orthopaedic Manipulative Therapy, Mulligan concept
今回はマリガンコンセプトについてです。
1部20NZ$で直接マリガン先生から購入しました。
擦り切れていますが宝物です。
ニュージーランドオタゴ大学はPost graduate diploma(1年間の卒後資格でMaster=修士の前段階の学位、NZを含むイギリス連邦の国の大学では一般的)を修了することでOMPT:Orthopaedic Manipulative Physical Therapist(国際徒手理学療法認定士)の資格を得ることができます。
そしてオタゴ大学はその卒業生にブライアン・マリガン先生、ロビン・マッケンジー先生、スタンリー・パリス先生など徒手理学療法の大家の方が多数いらっしゃいます。その中でもマリガン先生はオタゴ大学の名誉教授でいらっしゃるので前記のコースに参加することで直接マリガンコンセプトについて教わることができます!
まさにレジェンドの中のレジェンドのマリガン先生に直接教わることができる。これだけでニュージーランドに来た甲斐があったというものです。
この単位では1セメスターの間に3回のレジデンシャルウィーク(実地研修)があり、72時間の授業が含まれています。この間は留学生も現地の院生も顔を合わせて授業を受けます。マリガン先生のその中の1日を使ってSpinal mobilisationとMWM(Mobilisation with movement)についてを集中的に習い、ディスカッションを交わすというものでした。
※留学生はそれ以外にも追加で授業があるので現地の院生よりも優遇されていると思います。週1回は必ず理学療法学科に訪れ、オタゴ大学の教授やPh.D.の先生から実技講習を受けることができました。
マリガン先生はその愛すべきキャラクターがとても印象に残っています。とにかく明るく、ポジティブなオーラに包まれているような先生でした。まず教室に入ってくると挨拶がわりのジョークを交えてすぐに聴講生にあだ名をつけて回ります。私はただ1人の日本人だったのでSamurai boyだったと記憶してます。そして実技になると被検者の背中をバシバシと叩いて姿勢を整えてまたもやジョークを飛ばします。とにかくずっと話している方でした。お会いしたことはないのですが明石家さんまさんのようとでもいいますか。
そんな強烈なキャラクターの先生ではありますがそこは徒手理学療法のレジェンド、テクニックはまさに一流でした。とにかく評価から触診、運動診、試験的治療、再評価が非常に丁寧でスムーズ、時間もかかりません。
マリガンコンセプトの特徴としては、患者の自動運動を巧みに利用するところでしょうか。それまで私が持っていたモビライゼーション=他動運動という認識を改めさせてくれた偉大なコンセプトだと思います。このワークショップの最後のあたりでは私のあだ名はなぜかSushi boyに変わってましたが…。
私が現在臨床でも度々使わせていただいているテクニックが、テニス肘に対するMWM、結滞動作に対するMWM、タオルを用いた頸椎回旋のセルフエクササイズ指導などです。どれも非常にオリジナリティが強くその効果も1臨床家としては十分に感じています。いつか研究でそのエビデンスの構築に寄与できればいいなと近頃は考えています。
やはり優れた臨床家とディスカッションし、その考えに直接触れることができる機会というのは得難いものだと思います。その点でもオタゴ大学に留学した価値は十二分にあったのだなと帰国して1年が経過した現時点でも感じます。この環境を日本でも構築できればそれは非常に有意義なことだなと最近感じていますが、それはまた別の機会に。
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