必修単位その①: PHTY501: Biomedical Science in Physiotherapy
Biomedical Science in Physiotherapyについて
オタゴ大学の理学療法修士過程では留学生の場合1セメスターに2単位の取得が可能です。現地のローカルの学生は1セメスターに1単位のみ可能です。これは留学生がフルタイムの学生扱いであるのに対しローカルの学生はパートタイムの扱いであるためです。
オタゴ大学の理学療法修士過程では留学生の場合1セメスターに2単位の取得が可能です。現地のローカルの学生は1セメスターに1単位のみ可能です。これは留学生がフルタイムの学生扱いであるのに対しローカルの学生はパートタイムの扱いであるためです。
最初のセメスターで受講するのがこのBiomedical Science in Physiotherapyです。
特筆すべきはこの単位の担当の先生はお二方とも理学療法士である点です。理学療法士の観点から生物医学を学ぶことができるのが特徴的です。やはり運動療法時の関節内組織の連動性など想像するのに、理学療法士の視点を提供してもらえることは有意義だと思います。また他の学生も皆理学療法士の学士を取得し、臨床を行なっているプロなので勉強する環境としても文句なしですね。
特筆すべきはこの単位の担当の先生はお二方とも理学療法士である点です。理学療法士の観点から生物医学を学ぶことができるのが特徴的です。やはり運動療法時の関節内組織の連動性など想像するのに、理学療法士の視点を提供してもらえることは有意義だと思います。また他の学生も皆理学療法士の学士を取得し、臨床を行なっているプロなので勉強する環境としても文句なしですね。
コース内容は1週間に1度オンラインでの授業があり、その都度課題が出されます。課題の内容はクリティカルシンキングを用い、ジャーナル記事の批判などを行います。またそれについてのディスカッションなども行われます。解剖学の基礎知識の確認とより詳細な関節構成体についての考察や運動学を考慮した思考などについても勉強することができます。
それに加えて、レジデンシャルウィークというオンキャンパスでの3日間の集中講義が2回、ダニーデンの解剖学専攻校舎にて行われました。この時は1日中解剖学から基礎医学について授業とディスカッションがありました。その中でも特に印象に残っているのが解剖実習です。
ここでは実際のご検体を使用し、脊柱と四肢の観察と解剖を実際に行います。解剖用メスやピンセットなどを使用し、実際に組織を表層から深層にかけて開いていきます。参考書や映像では伝わってこない本当の解剖学を学ぶことができます。時間にしてみればそれほど長くはなかったと記憶しているのですが、とても印象的な講義だったため内容は今でも鮮明に思い出すことができます。解剖学など複雑な知識を記憶として定着させるにはとてもいい方法なのではないでしょうか。ちなみに合掌は誰もしてませんでした。
例えば、私はその時までタナ(Plica)についていまいちイメージすることができずにいたのですが、その走行や多組織との連続、素材感などをつぶさに観察することができたのですぐにイメージすることができるようになりました。実際に触れなければわからないことが多々あることには正直驚きましたね。隣のサウジアラビア人の学生にはその興奮はあまり伝わらなかったようでしたが…。
この講義ではアサインメント(宿題)の題材について決める必要がありました。膝関節の組織の中から一つ選び、それについて現在エビデンスレベルの高い参考文献を探し批判的に臨床解剖学上の構造と機能について1500語で述べるというものでした。構成は2部で、
- 文献レビュー:一般的な形態学上の特徴について、その組織に対する解剖学的な議論についての批判的で詳細な説明、その組織の機能などについて述べる
- 解剖の観察:鍵となる形態学的特徴と周囲の組織について実際の検体を解剖した見解を踏まえて詳細に記述する
ことが求められました。
実際に英語のレポートを作成するというのは想像していたよりも大変でした。一言助動詞が変わるだけで意味が大きく変わるのは当然のこと、引用文献の大意を謝って記載してしまうとレビューの信頼性が大きく揺らいでしまいます。ニュージーランドでは外国人である私はローカルよりも人一倍ライティングに気を使う必要がありました。
題材として、数ある膝関節構成体の中から私は膝蓋下脂肪体(Infrapatellar fat pad)を選びました。
理由としては、なぜ膝蓋下脂肪体がAnterior knee painの原因となりうるのか、機能上はどのような役割があるのかを勉強してみたくなったからです。
レポートの結果はあまり芳しくありませんでしたが、批判的思考の基礎を解剖学と同時に学ぶことができたと思います。
レポートの結果はあまり芳しくありませんでしたが、批判的思考の基礎を解剖学と同時に学ぶことができたと思います。
次に興味深かったのはエコーを使い実際の筋・筋膜・脂肪組織や骨・靭帯を視認しながらの運動療法の指導実習です。この方法については特に腹横筋の随意収縮についての考察がカナダのダイアン・リー先生の著書にてされています。実際にRadiologistの方に実演してもらいながら講義を受けました。
この単位はセメスターを通して理学療法の基礎である解剖学についての復習と合わせて、現在エビデンスレベルが高いとされている文献などの批判的な読み方などを学習することができたと思います。特に卒後教育レベル(修士や博士)になると教科書のような金科玉条は存在せず、暗記して問題を解くような評価をされることはありません。常に批判的な(中立の、バイアスのかかっていない) 立場で文献や情報のエビデンスレベルを独自に判断することが求められます。それに伴い学習スタイルは変化せざるを得ませんし、最初は戸惑うことばかりでした。ですが、講師陣はとても優秀で協力的です。英語能力さえある程度あれば、真剣に取り組めば問題なく単位を取ることができると思います。
では次回は徒手理学療法の単位についてお知らせしたいと思います。
この単位はセメスターを通して理学療法の基礎である解剖学についての復習と合わせて、現在エビデンスレベルが高いとされている文献などの批判的な読み方などを学習することができたと思います。特に卒後教育レベル(修士や博士)になると教科書のような金科玉条は存在せず、暗記して問題を解くような評価をされることはありません。常に批判的な(中立の、バイアスのかかっていない) 立場で文献や情報のエビデンスレベルを独自に判断することが求められます。それに伴い学習スタイルは変化せざるを得ませんし、最初は戸惑うことばかりでした。ですが、講師陣はとても優秀で協力的です。英語能力さえある程度あれば、真剣に取り組めば問題なく単位を取ることができると思います。
では次回は徒手理学療法の単位についてお知らせしたいと思います。
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