理学療法士としての留学⑥ 大学院留学先の選択 オセアニア、ニュージーランド
整形外科的徒手理学療法を学ぶための留学先としてオセアニアも人気があると思います。それはIFOMPT認定の教育機関が多くあるためですね。前回はオーストラリアの5校について触れました。
それでは現在私が留学しているニュージーランドについてお話したいと思います。
ニュージーランドには現在IFOMPT認定卒後コースを設けている教育機関は、
AUT(オークランド工科大学)と、オタゴ大学の2校しかありません。
今回はAUTについて調べてみました。
特徴的なのは、ニュージーランドの理学療法士養成校はそもそもこの2校しかないという点でしょう。つまり学士から修士さらには博士までの教育がこの2校で可能ということです(ニュージーランドで理学療法士として働く場合は理学療法学士が必要)。選択肢としては非常に限定的になるのですが迷う必要が無いと言えばそれもメリットでしょうか。
IFOMPTのホームページによるとAUTは
1.
POSTGRADUATE DIPLOMA IN HEALTH SCIENCE IN MUSCULOSKELETAL PHYSIOTHERAPY、
2.
MASTER OF HEALTH PRACTICE IN MUSCULOSKELETAL PHYSIOTHERAPY
(CLINICAL MASTERS)
3.
MASTER OF HEALTH SCIENCE (RESEARCH
MASTERS)
の3つのコースを設けています。
一つ目は筋骨格系理学療法分野の健康科学のPGDipを取得するためのコース、二つ目は筋骨格系理学療法におけるヘルスプラクティス修士を取得するコース(主に臨床技能を学ぶコースだと思われます。)
三つ目は健康科学修士(研究修士)です。
※PGDip
英連邦を中心とした国の大学では、修士課程から修士論文のみを省いたポストグラデュエート・ディプロマ(Postgraduate Diploma)というディプロマを取得できるコースが数多く開講されている。
AUTのコース設定から鑑みるに、臨床系のコースと研究系のコースをはっきりと区別しているのがみて取れるかと思います。つまり、1・2が臨床系で3が研究系ですね。臨床技能を向上させるためには前者が、後々は博士などさらに研究を続けたい場合は後者を選択すれば良いのでは無いでしょうか。
日本と異なる点としてはPGDipを取得している理学療法士に出会う頻度が高いことですね。こちらでは学士取得後にさらに勉強しようと卒後教育に進学するセラピストが日本よりも多いと思います。特に臨床系の大学院レベルでの教育というのは日本ではこれから発展する分野であり、研究系のそれに比べるとまだまだなのでは無いでしょうか。さらにIFOMP認定レベルに達するのは容易なことでは無いと思います。
コースワークと研究のどちらか一方に主に興味がある、もしくは今後の進路が明確に決まっている場合(理学療法士の臨床技能を高めてクリニックを開業する、研究の基礎や論文作成などを学び研究者としての基礎を築くなどなど)は初めから余分な分野は勉強しない、というのも一つの方法だと思います。人生は短いですから。
というわけで今回はAUTの卒後コースについて触れてみました。
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